目次
PIM SSMの設定コマンド
SSMの設定もBidir-PIMと同じように、設定自体はとてもシンプルです。SSMの設定は、通常のPIM-SMの設定に加えて、ラストホップルータで次の設定を行います。
- SSMの有効化
- (S,G)サブスクリプションを扱えるようにする
SSMを有効化するには、グローバルコンフィグレーションモードで次のコマンドを入力します。
(config)#ip ssm {default|range < ACL >}
default : 232.0.0.0/8のマルチキャストグループでSSMを有効化
range < ACL > : 標準アクセスリストで指定したマルチキャストグループでSSMを有効化
defaultを指定すると、232.0.0.0/8の範囲のマルチキャストグループでSSMが有効化されます。range <ACL>では、標準アクセスリストでpermitされたマルチキャストグループでSSMが有効化されるようになります。
SSMのマルチキャストグループについては、RPアドレスの設定は不要です。
また、レシーバに合わせてラストホップルータで(S,G)サブスクリプションを扱えるように設定します。レシーバが存在するインタフェースで、レシーバの(S,G)サブスクリプションに合わせて、次のように設定します。
IGMPv3
(config-if)#ip igmp version 3
IGMPv3 lite
(config-if)#ip igmp lite
URD
(config-if)#ip urd
PIM SSMの設定例
以下は、簡単なPIM SSMの設定例です。

PIM SSMの確認コマンド
SSMの確認は、ラストホップルータにおいてshow ip igmp groups detailコマンドによって、レシーバからの(S,G)サブスクリプションを確認できます。
show ip igmp groups detail
R6-PIM#sh ip igmp groups detail Flags: L - Local, U - User, SG - Static Group, VG - Virtual Group, SS - Static Source, VS - Virtual Source Interface: FastEthernet0/1.6 Group: 239.1.1.1 Flags: SSM Uptime: 00:07:30 Group mode: INCLUDE Last reporter: 172.16.6.100 Group source list: (C - Cisco Src Report, U - URD, R - Remote, S - Static, V - Virtual, Ac - Accounted towards access control limit, M - SSM Mapping, L - Local) Source Address Uptime v3 Exp CSR Exp Fwd Flags 172.16.1.100 00:07:30 00:02:30 stopped Yes R
また、show ip mrouteでソースとレシーバの間で送信元ツリーが正常に作成されているかどうかを確認します。SSMを有効にしているラストホップルータでは、次のようなディストリビューションツリーになります。
show ip mroute(SSMラストホップルータ)
R6-PIM#show ip mroute 239.1.1.1 IP Multicast Routing Table Flags: D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group, C - Connected, L - Local, P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag, T - SPT-bit set, J - Join SPT, M - MSDP created entry, X - Proxy Join Timer Running, A - Candidate for MSDP Advertisement, U - URD, I - Received Source Specific Host Report, Z - Multicast Tunnel, z - MDT-data group sender, Y - Joined MDT-data group, y - Sending to MDT-data group Outgoing interface flags: H - Hardware switched, A - Assert winner Timers: Uptime/Expires Interface state: Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode (172.16.1.100, 239.1.1.1), 00:15:28/00:02:37, flags: sTI Incoming interface: FastEthernet0/1.56, RPF nbr 172.16.56.5 Outgoing interface list: FastEthernet0/1.6, Forward/Sparse, 00:15:28/00:02:37
通常のPIM-SMでは、(S,G)エントリにはテンプレートになる(*,G)エントリも作成されます。ですが、SSMを有効にしているラストホップルータには(*,G)エントリは作成されません。
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