OSPF DD(Database Description)パケット

OSPF DDパケットは、アジャセンシー関係のルータ間でLSDBの同期を取るときに利用します。DDパケットは、LSDBの概要を示しています。LSDBに含まれるLSAは、LSAヘッダとLSAのデータから構成されています。DDパケットでは、LSDBの概要としてLSAヘッダのリストを含めています。アジャセンシーのルータ間でDDパケットを交換すると、お互いが持っていないLSAがわかります。

DBD(DataBase Description)パケットと表記することもあります。
図 OSPF DDパケットの概要
図 OSPF DDパケットの概要

OSPF DDパケットフォーマット

OSPFヘッダのタイプ2でDDパケットであることを示しています。DDパケットのフォーマットは、以下のようになっています。

図 OSPF DDパケットフォーマット
図 OSPF DDパケットフォーマット

Interface MTU(16ビット)

Interface MTU(16ビット)は、DDパケットを出力するインタフェースのMTUサイズです。DDパケットはサイズが大きくなり、分割されることがあります。ネイバーとMTUサイズが一致していないと、DDパケットの交換を正常に行うことができなくなる可能性があります。もし、MTUサイズが一致していない場合、ネイバーはExStart状態でスタックしてしまいます。

Options(8ビット)

Options(8ビット)で、OSPFルータのさまざまな機能(Capability)を示しています。Optionsのあとに続く5ビットは「00000」で固定です。

I-bit

I-bitのIはInitialを意味しています。一連のDDパケットのやり取りのうち最初のDDパケットのみI-bit=1です。

M-bit

M-bitのMはMoreを意味しています。M-bit=1でDDパケットには続きがあることを示しています。一連のDDパケットのやり取りの最後はM-bit=0です。

M/S-bit

MS-bitはMaster/Slaveを意味します。DDパケットの交換を始めるルータがMasterです。M/S-bit=1でMasterルータであることを示しています。MasterルータになるのはルータIDが大きい方のルータです。

DD Sequence Number(32ビット)

DD Sequence Number(32ビット)は、DDパケットを確実に受信できるようにしています。Masterとなるルータがユニークな初期値を決定して、以降のDDパケットのやり取りで、シーケンス番号をインクリメントしていきます。

LSA Headers

DDパケットを生成するルータのLSDBに含まれるすべてのLSAのLSAヘッダのリストです。

OSPFの仕組み