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OSPF ルータプライオリティの設定
イーサネットなどのマルチアクセスネットワーク上で、特定のルータをDR/BDRとするために、ルータプライオリティを設定します。ルータプライオリティの変更はインタフェースコンフィグレーションモードで次のコマンドを入力します。
(config)#interface <interface-name>
(config-if)#ip ospf priority <priority>
<interface-name> : インタフェース名
<priority> : DRプライオリティ値。0~255
Ciscoでは、ルータプライオリティ値のデフォルトは1です。0は特別な値でDR/BDRにはならないという意味です。DRにしたいルータに最も大きい値を設定して、BDRにしたいルータに2番目に大きい値を設定します。
ただし、プライオリティを変更しても、すぐにDR/BDRが変更されるわけではありません。既存のDRが存在すれば、あとからプライオリティが大きいルータが追加されても変わりません。プライオリティを変更したら、現在のDR/BDRとなっているルータでいったんOSPFプロセスをクリアしてください。
#clear ip ospf process
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ルータプライオリティの確認
ルータプライオリティを確認するには、以下のshowコマンドがわかりやすいです。
- show ip ospf neighbor
- show ip ospf interface
show ip ospf neighbor
show ip ospf neighborコマンドでネイバーのルータプライオリティを確認できます。
R1#show ip ospf neighbor Neighbor ID Pri State Dead Time Address Interface 192.168.12.2 1 FULL/DR 00:00:32 192.168.12.2 Ethernet0/0 192.168.13.3 0 FULL/ - 00:00:31 192.168.13.3 Serial1/0
show ip ospf neighborコマンドでは、コマンドを実行しているルータ自身のプライオリティはわかりません。
show ip ospf interface
show ip ospf interfaceコマンドでOSPFが有効なインタフェースの詳細がわかります。ルータプライオリティの値や、現在のDR/BDRとなっているルータを確認できます。
R1#show ip ospf interface ethernet0/0 Ethernet0/0 is up, line protocol is up Internet Address 192.168.12.1/24, Area 0 Process ID 1, Router ID 192.168.13.1, Network Type BROADCAST, Cost: 10 Transmit Delay is 1 sec, State BDR, Priority 1 Designated Router (ID) 192.168.12.2, Interface address 192.168.12.2 Backup Designated router (ID) 192.168.13.1, Interface address 192.168.12.1 Timer intervals configured, Hello 10, Dead 40, Wait 40, Retransmit 5 oob-resync timeout 40 Hello due in 00:00:09 Supports Link-local Signaling (LLS) Index 1/1, flood queue length 0 Next 0x0(0)/0x0(0) Last flood scan length is 1, maximum is 3 Last flood scan time is 0 msec, maximum is 4 msec Neighbor Count is 1, Adjacent neighbor count is 1 Adjacent with neighbor 192.168.12.2 (Designated Router) Suppress hello for 0 neighbor(s)
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