RIPのタイマ

RIPの定期的なルート情報の送信や、ネットワークのダウンの検出、ルーティングテーブルからのエントリの削除は、さまざまなタイマによって制御されています。RIPタイマとして、以下の4つあります。

  • Updateタイマ
  • Invalidタイマ
  • Hold downタイマ
  • Flushタイマ

Updateタイマは、ルータがルート情報を送信する間隔を決めています。標準では、Updateタイマは30秒です。

Invalidタイマがタイムアウトするまでにルート情報を受信することができなければ、そのエントリが無効になったとみなされます。ただし、Invalidタイマがタイムアウトしても、すぐにはルーティングテーブルから削除されずに「ホールドダウン状態」となります。Invalidタイマの標準値は、180秒です。

Hold downタイマは、ホールドダウン状態を保持しておく時間を表しています。ホールドダウン状態とは、「ネットワークがダウンしているかもしれない」ということを意味しています。ルーティングテーブル上では、「possibly down」と表示されます。ホールドダウン状態になったとしても、ルーティングテーブル上にエントリは存在するので、そのネットワークあてにやってきたパケットはルーティングされます(きちんと通信できるかどうかはわかりません)。しかし、ホールドダウン状態の間、ルーティングループが発生する原因になる、間違った情報がやってくるかもしれないので、あるエントリに対してメトリックが悪いルート情報がやってきてもそれを採用しません。Hold downタイマの標準値は180秒です。

Flushタイマとは、ルーティングテーブル上からRIPのエントリを削除するためのタイマです。このFlushタイマがタイムアウトするまでにRIPルートを受け取ることができなければ、エントリはルーティングテーブルから削除されます。標準では、Flushタイマの値は240秒です。

表 RIPタイマのまとめ
タイマ 説明 標準値
Updateタイマ 定期的なルート情報送信の間隔 30秒
Invalidタイマ このタイマがタイムアウトするまでに、ルート情報を受信できなければ、そのエントリをホールドダウン状態にする 180秒
Hold downタイマ ホールドダウン状態を保持するタイマ。ホールドダウン状態の間は、メトリックが悪いルート情報は採用しない 180秒
Flushタイマ このタイマがタイムアウトすると、ルーティングテーブルからエントリを削除する 240秒

RIPタイマによるRIPルートの制御

Invalidタイマ、Hold downタイマ、FlushタイマによってルーティングテーブルのRIPエントリが削除されるまでのプロセスは、次の図のようになります。

図 RIPのタイマによるRIPルートの制御
図 RIPのタイマによるRIPルートの制御

ある特定のネットワークのRIPルートのエントリがあり、そのエントリに対するルート情報を受信すると、InvalidタイマとFlushタイマがリセットされます。(①)

ネットワークの障害などの影響でルート情報の受信が途絶えると、Invalidタイマがタイムアウトし、ルーティングテーブル上のエントリは、ホールドダウン状態になります。このとき、Hold downタイマがスタートします。(②)

さらに、その後もルート情報が途絶えると、Flushタイマがタイムアウトし、ルーティングテーブル上から削除されます。(③)

このようなタイマの制御を行っているので、RIPの場合は、ネットワークに障害が発生してもすぐにはルート情報がルーティングテーブルから削除されないということに注意が必要です。


ルートポイズニングによって、速やかに不要なルート情報を削除することもできます。ルートポイズニングについて、以下の記事をご覧ください。


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